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白洲正子の『金平糖の味』

2012.1.23

エッセイの日々、第三弾は最近出たばかりの
白洲正子の『金平糖の味』戦後から高度成長期頃に書かれたものを集めた。
あとがきのところで、各社の編集者が遺品を探して原稿を見付け出した話が載っていた。
編集者って、ハンターだよね、ある意味。
大作家とかになると、常に周りに編集者が何人かいるというし、
写真家の荒木経惟さんが銀座撮影しているのに遭遇したことがあるけど、
何人も周りに人がいて、塊で移動していた。
新しい原稿を、どこよりも誰よりも早くゲットする。そういう仕事なんだなー。

さて、『金平糖の味』ですが、
若いときの文章ということで、NHKドラマ化した白洲次郎の話に出ていた、
白洲正子役の中谷美紀がダブってしょうがなかった。
あの人が書いたのか-と思ってしまう。若い時の、迷いやら思い込みやら気負いやらが
文章に出ているからだろうね。
小林秀雄の「無常といふこと」読みたくなりました。

それにしても、半世紀たって読んでも違和感がない文章ってすごい。
たしかに、「このごろはこんなふうになりました」みたいな時代批評的なところは
今とは違うんだけど、それすら、リアルタイムの息遣いが伝わってくるようで
古くなく読めてしまう。

実は、平行して、池波正太郎の『むかしの味』を読んでいるんだけど、
なんだか、そんなに面白く感じられないんだよね。ゆったりしていて、おちがなくて、
なんだか、昭和の空気に入り込めないような感じがどこかある。

この違いは何なんだろう。
たぶん、白洲正子の、長い歴史の中の今を観ている感覚が違うんだろうな。
池波正太郎は、ある時期に、すでに懐かしくなった昔を思い浮かべている。
そのこと自体が、さらに時代に縛られてしまうのかもしれない。

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